<ごあいさつ>

1977年、当時京都の大学の1年生だった私は、ジャズやフュージョン(当時はまだ“クロスオーヴァー”という名前で呼ばれていました)に、なんとなく興味を持ち始めていました。そしてその年の10月、“拾得”というライヴ・ハウスで、ラリー・カールトン・バンドのライヴを観てしまったのです。実はその時カールトンは、クルセイダーズを脱退した直後(もちろんあの「ルーム335」の前)で、なんと五輪真弓のツアーのバックとして来日していたのでありました。でもなぜか“拾得”には、“ラリー・カールトン・バンド”として出演したのです。メンバーはカールトンに、グレッグ・マシソン(key)、マイク・ ポーカロ(b)、ジョー・フェラーロ(ds)。五輪真弓はゲストとして2曲だけ歌い、あとはカールトンが弾きっぱなしというライヴ。そして私はそれを、カールトンから2メートルのところで観てしまったのでした。もう、感動なんてもんじゃない。特に「ソー・ファー・ア・ウェイ」のソロには鳥肌が立ってしまいました。

そしてその10カ月後の1978年6月、今度はウェザー・リポートのライヴを観てしまったのです。そう、ジャコの初来日です。この時の完璧な演奏に、私は完全にノックアウトされてしまいました。ジャコもとんでもなくカッコ良かったし。大阪フェスティヴァルホールの、2階席の後のほうだったけど、そんなことはもう全然関係なかった。このコンサートは、いまでも私の生涯のベスト・コンサートのひとつです。

そしてこのふたつの強烈な体験こそが、私がフュージョンという音楽にのめりこむきっかけになったような気がします。そして、気がつけば音楽ライターなどという仕事に就き、“フュージョンの熊谷”と呼んでいただけるまでになり、現在に至っているわけです。

一部では“テクニック至上主義”とか“耳心地がいいだけの軟弱音楽”などと言われているフュージョンですが、いいアルバム、ミュージシャンがたくさんいます。このページを通じて、そんなフュージョンがまた盛り上がり、みなさんにもっともっと楽しんでいただけるようになれば嬉しいです。

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熊谷が監修・選曲・編集しました

ベスト・オブ・マイケル・ブレッカー・ワークス

2019年11月27日発売 (ソニー・ミュージック SICJ-30017 / 8 2,500 +税 ◆Blue-spec CD2 )

今年生誕70周年を迎えたサックス界のレジェンド、マイケル・ブレッカーの名演を集めたベスト・アルバム。ブレッカー・ブラザーズ、ステップス、ドリームスなど、リーダー格の演奏を集めた1枚目と、ポール・サイモン、ローラ・ニーロ、エアロスミス、スパイロ・ジャイラ、アル・フォスターなど、様々なフィールドのアーティストとの共演ものを中心に集めた2枚目と、マイケル・ブレッカーの魅力が凝縮された全23曲です。

熊谷が編集、執筆、取材を担当させていただきました

CASIOPEA 40th Anniversary Official Book

2019年12月10日発売 (ヤマハミュージックメディア)  3,300円

今年デビュー40周年を迎えたCASIOPEA/CASIOPEA 3rdのオフィシャル・ブック。現在は“CASIOPEA 3rd"として精力的に活動を続けるCASIOPEAの、これまでの軌跡から現在の活動まで、メンバー完全監修で制作するオフィシャルブックです。不詳・熊谷が、編集作業と多くの部分の執筆・取材を担当させていただきました。熊谷入魂の全18ページにわたるCASIOPEAヒストリー、4人のメンバーのインタビュー、それぞれの楽器についての詳しいコメント、野呂一生によるアルバム全50作についてのコメント、最新作『PANSPERMIA』収録楽曲のメンバー手書き譜面と作曲者本人による楽曲解説などなど、内容も盛りだくさん。ファン必読の公式本です。

熊谷美広 監修


『ディスク・コレクション:フュージョン』


オールカラーになる前のシリーズ「ディスク・ガイド」の第1弾として出され、再版を重ねたものに、アルバム、シリーズ初の映像作品など240枚を加えて全740枚! 100ページ近い大増ページを敢行!


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フュージョン・シーンで活躍してきた名ミュージシャン(ギター、ベース、ドラム、キーボード)150人の、略歴に加え、リーダー作、参加アルバムのリストをまとめた、世界初のフュージョン・ミュージシャン・カタログです! 下積み時代、60年代までさかのぼってのリストは、なんと6,000枚!


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ⓒ 熊谷美広 (Yoshihiro Kumagai)